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弁護士コラム 後遺障害

むち打ちは軽傷?~頸椎捻挫等での後遺障害について

投稿日:2020年2月18日 更新日:

はじめに

自動車に乗っていて交通事故にあった場合、衝突の衝撃によりむち打ちといわれる怪我をすることがあります。
「むち打ち」というのは、交通事故などで首に強い力がかかったことによる捻挫です。首は普段から重い頭を支えていますが、交通事故による衝撃で一定の方向に飛び出そうとする頭を支えて、ちょうど振られた鞭がしなるように首の骨が動き、捻挫などの怪我をしてしまうのです。この振られた鞭がしなるように首が動いて首を痛めることを俗称で「むちうち」というのです。
交通事故でいわゆる「むち打ち」となった当初は、「まぁ骨折とかよりはマシかな」と思われる方も少なくありません。交通事故が報道される場合でも、打撲・むち打ち等の怪我は「軽傷」という言葉で表現されることが多いそうです。しかし、「むち打ち」は痛みやしびれが長期間にわたって続くこともあり、甘く見ることはできません。「むち打ち」とそれによって認められる可能性のある後遺障害についてみていきます。

むち打ち患者

 

むち打ちとは

どのようにむち打ちになるのかについては、先に少しふれた通りで、外部からの衝撃により,首がむち打ったように過度に動くことによって傷害が生じます。
このような首の動きにより、首の筋肉、靭帯、椎間板等の軟部組織や骨組織の損傷等が生じます。むち打ちは,損傷そのものではなくその受傷機転(損傷を負うこととなった原因)を示す用語で,病名ではありませんので,診断書に「むち打ち」と記載されることはなく,頸椎捻挫、頸部捻挫、頸部損傷、頸部挫傷、外傷性頸部症候群などと記載されるのが通常です。

首の骨(頸椎)には、神経の束が走っていますので、むちうちとなったことにより、首の筋肉だけでなく、この神経を傷つけている可能性もあります。その場合、首の痛みだけではなく、手先がしびれたりめまいが生じたり、あるいは倦怠感、吐き気などが生じるという症状(神経症状)が出ることもあります。
交通事故後に、頭、首、背中等の痛み、めまい、しびれ、倦怠感、吐き気、睡眠障害等に陥り,自分の診断書に頸椎捻挫などといった病名が記載されている方は,いわゆるむち打ちとなったものということができます。

むち打ちには、大きく分けて、「頸椎捻挫型」(頸部の筋線維・靭帯・椎間関節包等が過度に伸びたり断裂したりすることによって生じるもの)、「神経根症状型」(頸椎の神経根が圧迫されることを原因として症状が発生するもの)、「バレー・リュー症状型」(頸部交感神経の過緊張や椎骨動脈の循環障害等の影響で発生するといわれているがはっきりとした原因は不明)、「神経根症状とバレー・リュー症状の併発型」「脊髄症状型」(脊髄本体の損傷を原因とするもので、厳密に言うとむち打ちの一類型ではなく脊髄損傷に分類される)といったものがあります。一番多いのは「頸椎捻挫型」ですが、気になる場合には医師に聞いてみましょう。

首の骨

むち打ちになったら

交通事故にあってむちうちの症状がある場合、事故直後から整形外科に通って診察を受け、レントゲンやMRIなどを撮ってもらうことが大切です。
まれに、事故直後はちょっとした違和感があったくらいだったため、病院でむち打ちの症状を申告せず、だいぶ後になってから申告して治療を受け始める方がいますが、後々、相手方の保険会社や後遺障害等級の認定を行う自賠責保険に事故とむち打ち症上の因果関係を否定される可能性が高くなってしまいます。
他にも骨折などの傷害を負われている場合にはむち打ちの症状に気づきにくくなっているかもしれませんが、できるだけ初診の病院から医師に全ての症状を告げることが大切です。
また、レントゲンやMRIを撮ってもらうことも重要です。なぜなら、首の痛み、手足のしびれ、めまいなどといった症状は、自分でしか感じることのできないものなので、画像上で骨の変形が認められるなど少しでも客観的な証拠があったほうが、後の後遺障害等級認定などの時に有利になるからです。

むち打ち(頸椎捻挫等)での後遺障害認定

むち打ちについては,治療によって治癒する場合が多数を占めています。
判例では、事故の衝撃の程度が軽微で、損傷が頸部の軟部組織に止まっている場合には、適切な治療を施すことにより2~3ヵ月以内に通常の生活に戻ることができる、と判示されています。
一方で、むち打ちも程度や症状は多種多様であり、半年以上にわたって治療を行っても症状が完全には治癒せず、ある程度の症状が残ってしまうケースもあります。
このようなケースについては,治療しても症状の改善が見込めなくなった一定の段階(この段階のことを症状固定といいます)で残存している症状について、自賠責保険による後遺障害等級認定を受けることを検討する必要があります。
むち打ちによる後遺障害については,後遺障害等級が認定される場合は、後遺障害等級の14級9号局部に神経症状を残すもの」または12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」のいずれかに該当します。
後遺障害が認められても大半の場合は14級9号であり、12級となる場合はほとんど無いというイメージです。
もちろん、むち打ちで症状が残っていても、必ず上記いずれかの等級に該当するということではなく、後遺症はあるが後遺障害の等級認定にまでは至らない程度に止まっているとして非該当とされる場合もあります。

むち打ち症状がある場合の弁護士への依頼

むち打ち症状がある場合に、以下のような局面で弁護士に相手方保険会社への対応などを依頼することはメリットがあり、お勧めです。
まず、加害者等の主張してくる過失割合に納得がいかない場合、弁護士にご相談されることをお勧めします。証拠を収集し、こちらの主張を整理して相手方保険会社などに伝えることができるというメリットがあるためです。

次に、後遺障害等級の認定について不安がある場合にも、弁護士に依頼することをお勧めします。弁護士に依頼することで、治療費の打ち切りと同時に後遺障害等級認定の申請を行い、また後遺障害等級が認められやすいように資料の収集を行いますので、速やかにさらなる補償を受けることが可能になります。

さらに、加害者に対し損害賠償請求をしていく際には弁護士に依頼されることをお勧めします。賠償額を算定する際、任意保険会社独自の基準である示談額基準(相対的に低い金額)と裁判所(弁護士)基準(相対的に高い金額)がありますが、もしご本人が保険会社と直接示談交渉をする場合には、保険会社から提示される示談金の額は任意保険会社の示談額基準に基づいた金額になるのに対し、弁護士に依頼すれば、弁護士は、裁判所(弁護士)基準に基づいて賠償金を算定し、これを基準に交渉することになります。
したがって、弁護士に依頼する方が相対的に高い金額で示談をできる可能性があるということになります。

まとめ

むち打ちの症状は「軽傷」という言葉でくくり切れるものではなく、辛い症状が長く続くことも多いです。事故にあわれた本人が、症状に苦しみながら保険会社と交渉することは辛いものです。弁護士に依頼することには、上記のようなメリットがありますので、是非お気軽にご相談ください。

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