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休業損害 弁護士コラム

個人事業主の交通事故における休業損害の請求

投稿日:2019年9月10日 更新日:

個人事業主とは、株式会社などの会社形態はせずに、自身で屋号をもって事業をしている方のことをいいます。個人事業主の場合は、どこかの会社に雇われて一定の給料をもらっている場合とは異なり売上から経費を控除した金額を所得して確定申告をすることとなります。
また、個人事業主は、自身が交通事故のため仕事ができなくなると経費がかかる一方売り上げが減少することになります。

そのため、会社員の場合とは別の取り扱いがなされています。

個人事業主の休業損害の計算

個人事業主は、会社員の源泉徴収票に代わるものとして、確定申告書が収入の資料になります。したがって、経費を多めに計上していた場合や売上の過小申告をした場合でも、基本的には確定申告書の記載をもとに所得が判断されることになります。

そして、青色申告している個人事業主の場合、以下の計算式で1日当たりの休業損害を算定することになります。

① 一部休業の場合
(所得金額+青色申告特別控除額)-(所得税+住民税+事業税)

② 完全休業の場合
(所得金額+青色申告特別控除額+固定経費)-(所得税+住民税+事業税)

但し、個人事業主といっても家族経営であり、専従者控除を受けている場合などは、交通事故に遭った方の事業への寄与割合等を考慮しつつ、1日当たりの休業損害を計算する必要がありますので、非常に計算が複雑になります。

確定申告をしていない場合や過小申告している場合はどうするのか?

それでは、個人事業主であっても、確定申告をしていない場合や、収入の過小申告している場合は、休業損害が請求できるでしょうか。

先ほど、ご説明しましたとおり、個人事業主の場合の休業損害は確定申告の申告額を休業損害資料として、休業損害の額を計算することが原則です。

しかし、確定申告をしていないからと言って、収入がないわけでも、休業損害が発生していないわけでもありません。また、過小申告していた場合でも、税金上のペナルティーを受けることがあっても、休業損害の金額を低額にすべきということまでにはなりません。確定申告書は休業損害資料として役立つものですが、確定申告書以外の資料をもって、収入を証明できれば、実際の収入に基づき休業損害を請求することができるのです。

ただし、確定申告書は法律上義務づけられているものですし、交通事故とは無関係に作られたものですので、偽造や水増しができないという意味で、証拠としての価値が高いものとなっています。
そのため、確定申告書がない場合や確定申告書の内容とは異なる収入を主張する場合には、主張する収入を得ていたことを誰もが納得するような資料が必要になります。
例えば、会計帳簿(総勘定元帳、売上台帳、仕入台帳、金銭出納帳等)や取引先への請求書・領収書、経費に関する領収書など細かい膨大な資料を提出することが必要になります。

いわゆるどんぶり勘定で、記録や資料がほとんど残っていない場合には、休業損害の請求が認められない可能性が高くなります。
また、実際の収入を主張する際には、修正申告を求められる可能性もありますので、注意が必要です。

最後に

個人事業主の中には確定申告をしていない方もいらっしゃいますし、経費関係等の把握が困難な方もいらっしゃいます。しかし、明確な資料がなければ一切の休業損害の請求が認められないというわけではありません。諦めずに休業損害の請求が認められるよう証拠を集めましょう。

当事務所は交通事故事件に豊富な知識と経験があります。
個人事業主の休業損害の請求でお困りの方はお気軽にご相談下さい。
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