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交通事故の後遺障害等級認定のしくみと手続き

投稿日:2020年1月23日 更新日:

後遺障害等級認定とは

交通事故で怪我をすることにより、身体に後遺症が残ってしまうことがあります。例えば、十分な治療を受けたのに、手足の一部を動かせなくなったり、痛みやしびれなどの症状がとれずに残ったりというようなことです。
このような後遺症が残った場合には、後遺障害等級認定を受ける必要があります。後遺障害等級認定とは、交通事故の後遺症について、正式に後遺障害と認定する制度です。
後遺障害等級には1級から14級まであります。交通事故の後遺症にはさまざまな程度のものがあるので、程度の重さによって等級を分けています。1級が最も重く、植物状態となって全身を動かせないときや両眼を失明したとき、両腕を根元から失ったときなどに認められます。14級がもっとも軽く、たとえば自覚症状しかないむちうちのケースなどで認定されます。
後遺障害等級認定を受けることで、自賠責からの保険金が支払われるほか、加害者から、後遺障害逸失利益と後遺障害慰謝料の賠償を得ることができるようになります。

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後遺障害等級認定のしくみ

後遺障害認定を行っているのは自賠責保険です。交通事故の被害者が後遺障害等級認定を受けようと思ったら、加害者の自賠責保険会社に対して後遺障害等級認定の請求をします。
自賠責保険は、1級から14級までの後遺障害認定基準を作っており、申請を受けるとその基準に該当するかどうかを調査します。該当するなら後遺障害認定をして等級を決定します。該当しないなら「非該当」と判断して申請を却下します。
自賠責保険の本来の制度としては、損害額を調査して保険金額を決定するのは自賠責保険を取り扱っている自賠責保険会社ですが、調査方法や認定の基準が会社ごとに異なるのでは、被害者にとって不安定、不公平な制度になってしまいます。
そこで、損害保険料率算出団体に関する法律(昭和23年7月29日法律第193号)に基づき設立された特殊法人である、損害保険料率算出機構自賠責損害調査センターの調査事務所が、後遺障害等級認定等の損害調査を取り扱っています。
つまり、窓口は自賠責保険会社ですが、実際に後遺障害について調査し等級の認定を行っているのは損害保険料率算定機構の調査事務所となります。
損害調査事務所では、自賠責保険後遺障害診断書を元に、それまでの治療経過について、診断書、診療報酬明細書、場合によっては患部のXP、MRI、CT等の検査結果を取り付けた上で、各調査事務所の顧問医の意見を参考にして、後遺障害等級認定の担当者が等級を決めます。

後遺障害等級認定を受けるための手続き

被害者が後遺障害認定を受けたいとき、2種類の方法があります。1つは事前認定、もう1つは被害者請求です。それぞれについて簡単に説明します。

事前認定と被害者請求の流れ

①事前認定
事前認定は、加害者の任意保険会社に後遺障害等級認定の手続きを任せる方法です。
加害者の任意保険会社は、自賠責保険の保険金支払いについても窓口となって対応することができます。これを一括対応と言います。そして一括対応しているときには、任意保険会社が後遺障害についての保険金支払いも一括して行います。その一環として、前提となる後遺障害等級認定も任意保険会社が行うことができます。
②被害者請求
被害者請求とは、被害者自身が自賠責保険に対して後遺障害等級認定請求を行う方法です。加害者の任意保険会社は関与せず、被害者と自賠責保険が直接やりとりをしながら手続を進めます。保険金の給付が決定したら、自賠責保険から直接被害者へと支払われます。
被害者請求の場合、被害者が自分で後遺障害等級認定に必要な書類を揃えて、加害者の自賠責保険会社へ提出しなければなりません。

事前認定のメリットは、被害者としてやることが少ないことです。加害者の任意保険の担当者に書類を送れば後は待つだけです。
事前認定のデメリットとしては、後遺障害等級認定を得るために有利になるように動くことができないことです。被害者に有利な資料を適宜追加で提出するなどの柔軟な対応は困難ですし、場合によっては、任意保険会社が自社の産業医に被害者に不利な内容の意見書を書かせて提出することさえあります。

被害者請求のメリットは、被害者が自分に有利な資料などを集めて積極的に提出し、後遺障害認定につなげやすいことです。また、自分で手続を行うので、手続きの透明性が保たれて安心です。
被害者請求のデメリットとしては、手続きが面倒なことにつきます。必要書類も非常に多く、自分で作成しなければならない書類もあります。書類を適切に揃えないと、申請すらできません。また、専門家でないのなら、何を追加で提出すれば自分に有利になるのか判断できないことがほとんどなので、上手く使いこなすこと自体が難しいのです。

後遺障害認定手続きを弁護士へ依頼すること

交通事故で後遺症が残った場合に、必要な補償、賠償を得るためには、後遺障害等級認定を受けなければなりませんが、資料が確実でなかったり、自己と後遺症の因果関係に疑いがあったりする場合には、被害者請求の方法で手続きを行う方が後遺障害等級認定を受けやすいといえます。しかし、上でみたように、被害者請求は面倒で使いこなせるか不安があります。
そこで、交通事故に強い弁護士に依頼して、代理人として代わりに被害者請求を行ってもらうのが便利です。弁護士がそろえる資料についてアドバイスを行い、場合によっては医師とも話をするなどして、なるべく有利なように手続きを行います。

自分の怪我で後遺症が残るかどうか分からない、後遺障害の申請を考えているが手続きが分からない、任意保険会社に任せるのは不安、といった方は、一度弁護士に相談してみることをお勧めします。

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