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弁護士コラム 後遺障害

上肢の後遺障害~交通事故後遺障害~

投稿日:2019年11月21日 更新日:

上肢」に関する後遺障害は、欠損障害、機能障害、変形障害があります。人間の体の上半身は、日常生活を送るにあたり、必要不可欠なもので、欠損や機能に障害があると不自由な暮らしを余儀なくなされます。

「上肢」の機能は重要なものですので、その機能に障害が残った以上、適正な後遺障害が認定されるよう見落としがあってはなりません。

しかしながら、特に機能障害については、外からの見た目ではわかりにくことが多く、誤った認定がされることもあり得ます。
そのため、以下の表のような状態にないか今一度ご確認いただくことが重要です。

「欠損障害」、「機能障害」、「変形障害」の順にご説明いたします。

「上肢」に関する「欠損」の後遺障害
等級 障害の程度
第1級の6 両上肢をひじ関節以上で失ったもの
第2級の3 両上肢を手関節以上で失ったもの
第4級の4 1上肢のひじ関節以上で失ったもの
第5級の2 1上肢を手関節以上で失ったもの

「上肢をひじ関節以上で失ったもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。
1 肩関節において、肩甲骨と上腕骨を離断したもの
2 肩関節とひじ関節との間において上肢を切断したもの
3 ひじ関節において、上腕骨と橈骨及び尺骨とを離断したもの

「上肢を手関節以上で失ったもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。
1 ひじ関節と手関節の間において上肢を切断したもの
2 手関節において、橈骨及び尺骨と手根骨とを離断したもの

「上肢」に関する「機能」の後遺障害
等級 障害の程度
第1級の7 両上肢の用を全廃したもの
第5級の4 1上肢の用を全廃したもの
第6級の5 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
第8級の6 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
第10級の9 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
第12級の6 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

「上肢の用を全廃したもの」とは、3大関節(肩関節、ひじ関節及び手関節)のすべてが強直し、かつ、手指の全部の用を廃したものをいいます。上腕神経叢の完全麻痺もこれに含まれます。

「関節の用を廃したもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。
1 関節が強直したもの
2 関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態にあるものこれに近い状態とは、他動では可動するものの、自動運動では関節の可動域が健側の可動域角度の10%程度以下となったものをいいます。
3 人口関節・人口骨頭をそう入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの

「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。
1 関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの
2 人工関節・人工骨頭をそう入置換(骨を金属やセラミックでできた関節・骨頭に置き換えること)した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの以外のもの

「関節の機能に障害を残すもの」とは、関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されているものをいいます。

「上肢」に関する「変形」の後遺障害
等級 障害の程度
第7級の9 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
第8級の8 1上肢に偽関節を残すもの
第12級の8 長管骨に変形を残すもの

「偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの」とは、次のいずれかに該当し、常に硬性補装具を必要とするものをいいます。
1 上腕骨の骨幹部又は骨幹端部にゆ合不全を残すもの
2 橈骨及び尺骨の両方の骨幹部又は骨幹端部にゆ合不全を残すもの
※硬性補装具とは、不燃性セルロイド、皮革、プラスティック製の補装具のことをいい、金属支柱により補装されたものも含まれます。
※ゆ合不全とは、骨の再生が途中で停止し、骨折前の正常な状態に戻らない状態をいいます。

「偽関節を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。※偽関節とは、骨折前の正常な状態に戻らず、骨の再生が停止したことによって、本来曲がってはいけないところで曲がる状態のことをいいます。
1 上腕骨の骨幹部又は骨幹端部にゆ合不全を残すもの。
2 橈骨及び尺骨の両方の骨幹部又は骨幹端部にゆ合不全を残すもの
3 橈骨又は尺骨のいずれか一方の骨幹部又は骨幹端部にゆ合不全を残すもので、時々硬性補装具を必要とするもの

「長管骨に変形を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。※「長管骨」とは、橈骨、尺骨、上腕骨のことをいいます。
1 外部から想見できる程度(15度以上屈曲して不正ゆ合したもの)以上のものであって、
①上腕骨に変形を残すものであるか
又は②橈骨及び尺骨の両方に変形を残すもの(但し、橈骨又は尺骨のいずれか一方のみの変形であっても、その程度が著しいものはこれに該当する。)
2 上腕骨、橈骨又は尺骨の骨端部にゆ合不全を残すもの
3 橈骨又は尺骨の骨幹部又は骨幹端部にゆ合不全を残すもので、硬性補装具を必要としないもの
4 上腕骨、橈骨又は尺骨の骨端部のほとんどを欠損したもの
5 上腕骨(骨端部を除く)の直径が2/3以下に、又は橈骨若しくは尺骨(それぞれの骨端部を除く)の直径が1/2以下に減少したもの
6 上腕骨の50度以上外旋又は内旋変形ゆ合しているもの

後遺障害等級と損害賠償額

上記のいずれかの等級が認定されると、後遺障害等級が認定されたことに対して、①後遺障害慰謝料②逸失利益を請求することができます。

そして多くの場合、その額は、数百万円から数千万円になります。

したがって、後遺障害等級が認定されるか否か、等級が何級になるかは大きな関心事となります。

詳しくは、コチラの記事をご覧下さい。

後遺障害等級と賠償金の増額

最後に

「上肢」に欠損障害が残った場合には、他人から見えなくすることは困難で、他人から好奇の目で見られることも多いはずです。
また、機能障害や変形障害は、生活に多大な支障が生じるにもかかわらず、一見して障害がわからないため、周りからの誤解により、精神的な疲労も出てきます。

それにもかかわらず、適正な後遺障害が認定されず、適切な賠償を受けることができていない方も多くいらっしゃいます。
ご説明しましたとおり、後遺障害等級によっては大きく賠償金の金額が変わりますので、適正な賠償金を得て少しでも平穏な生活を取り戻していただきたいと思います。

当事務所は交通事故事件に豊富な実績と経験があります。
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